清香と加代子と私の3人でナンパ待ちをしていた。
まだナンパ待ちし始めたばかりで、行き先は自分達の知ってる場所にするということまで気が回ってなかった。
ナンパしてきた男達は特別格好良い男達じゃなくノリのいい普通っぽい3人だった。
男達3人、私達3人計6人がワゴン車に乗ってた。
みんながいるから何も心配することはないだろうと安心してた私は、昼間デパートの更衣室やマックで2~3時間しか睡眠をとってなかったせいでうたた寝をしてしまった。
気がつくと車を運転していた、男達の中で一番年上(24歳)の男と私の2人きり。
慌てて「えっ!?みんなは?」と聞くと「あぁ…他の車に乗り換えた」と男は答えた。
うたた寝していたから車がどこを走っているのかわからない。
連れてかれたのは男の自宅だった。
仕方なく男の部屋へ上がった。
ぎこちない雰囲気の中、嫌な予感を感じた私はテレビに接続してあるスーパーファミコンを見つけ「アタシ、ゲームがやりたいな!」と場の雰囲気を変えようとしてみたけれど、男は「ゲームなんていいからさぁ。とりあえずシャワー浴びてパジャマに着替えなよ!」と女物のパジャマを渡してきた。
どうしよう…犯されるかもしれない。
助けてくれる仲間もいない。
男は、パジャマを受け取って動けずにいる私に強い口調で「シャワー浴びてきな!」と不機嫌そうに言った。
不機嫌そうな男を見て、シャワーを浴びなかったら怒り出すんじゃないかと、嫌な予感とは別に不安を感じた私は仕方なくシャワーを浴びるしかなかった。
シャワーを浴びてパジャマに着替え部屋へ戻ると、男は私をベットに押し倒して無理やりパジャマを脱がした。
「やめて!アタシまだ処女なのっ!!」
私は全力で抵抗したけどパンティを剥ぎ取られ、両手首を痣が出来るほど押さえつけられて好きでもない人に乱暴されて処女を喪失した。
愛情も優しさもない、初めてのSEX…ただただ痛かった。
愛撫もないから濡れてもいない…そこに初めての挿入。
最後は、痛がり悲しみでいっぱいだった私の顔に男が射精して終わった。
痛さと血がとまらなかった…描いてた初Hとはあまりも違ってた…私の中で何かが崩れた。
ナンパ待ちしてた自分にも落ち度があることも、一緒にナンパ待ちしてた仲間を友達とは言えない関係だったことも解ってた。
無理やり乱暴され処女を喪失したなんて、周りの誰にも言えなかった。
朝、男が駅まで送ってくれてる車内で「あぁ…もうどんなに後悔しても処女じゃなくなったんだな…凹んだところでどうにかなるわけじゃないし開き直るしかないか…」と思った。
そう思っても、あまりにもショックが大きかった。
本心の辛い気持ちに蓋をするため、開き直るという思考で頭を整理しようと必死に考えた。
そして「もう、いいやぁ…」起こったことも辛い気持ちも何もかも考えることが嫌になった。
それまで、外泊が何日か続いた時は両親に心配かけてることが後ろめたかった気持ちも何もかも、感情そのものをシャットアウトして目先の楽しくはしゃいでいられることだけに夢中になった。
もうどうでもよかった。
処女を喪失して二週間経った頃、ナンパ待ちしてたらナンパ待ちするきっかけになったドレットヘアーラッパー系の3人組のけい君達に声を掛けられた。
私はけい君に「もう処女じゃなくなった!二週間で8人とHしたよ!」と言うと、けい君は「二週間で8人!?ちょっとペース早いんじゃね?つか、俺ともしよーよ」と誘ってきたから「いいよ!皆でホテル行こう!」そして車でモーテルへ入った。
最初、私とけい君2人で部屋に入室。
残りのメンバーはモーテルの管理者が居なくなったら隠れて部屋に侵入するはずが、見つかってしまい警察に通報されそうになったので管理者に謝罪し別のホテルに向かった。
でも、その日は土曜日…時間も真夜中。
どこのホテルも満室で結局けい君とHはしなかった。
私は処女を無理やり奪われたことで、開き直り歪んでいた。
「SEX?したいなら別にしてもいいよ」と毎日違う男とやってた。
完全にヤリマンだった。
誰と何回したって別に減るもんじゃないし…そう思うことで処女を失ったことを封印してたのかもしれない。
毎晩、ナンパ待ちしてたら当然彼氏だって出来る。
彼氏が出来ても私達はナンパ待ちをやめなかった。
そうすると、最初は二股から始まり…三股、四股、最終的には五股以上を掛け持ち。
人数が増えれば増えるほど、彼氏一人一人に割り振る時間の配分や、違う彼氏と会ってる時の言い訳を考えなきゃいけなかった。
彼氏達は私達が駅前ロータリーでたむろっていたのを知ってるので、彼氏同士がカチ合いそうになったことも多々あったが、そんな時は仲間内で「のり子の元彼がのり子を探しに来てるからロータリーから離れよぅ!」とか適当な言い訳でお互いフォローしあって乗り切ってた。
所詮、遊びの付き合いだったけど付き合った彼氏達は皆優しかった。
中には私がナンパ待ちし続けてるのを「俺も若い頃遊んでたから遊ぶなとは言えない。けれど、俺の存在を忘れないでほしい」と黙認してくれるような人もいた。
私のために免許取って車を購入した人もいた。
大事にされてるのはわかってた。
それでも新しい出会いと目先の楽しい雰囲気の方を私は選んだ。
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