知君ん家にお邪魔した時の話。
知君ん家は一階が知君のお兄さん夫婦が暮らし、ご両親は二階で暮らしていた。
もちろん、一階の入り口と二階の入り口は別で、二階には外階段を上って玄関まで行くんだけれども階段上がった玄関の他にもう一つドアがあり一部屋だけ6畳のワンルームになっていた。
その時はその一室でネタ(覚せい剤)を喰って(打って)た。
ネタを喰ってキメセク(キメてS○X)をし、手持ちのネタが切れたので、切れ目を迎えた私は眠りについた。
何時頃だったんだろう。
多分夜中の2時か3時頃、目が覚めると知君がいない。
不安になった私は知君に電話をした。
コールは鳴るけど知君は電話に出ない。
その時、インターホンが鳴った。
覗き穴から覗いてみるとスキンヘッドの50歳くらいのおじさんが1人立っていた。
「はい。」とドアを開けるとスキンヘッドのおじさんの他に2人がいて、うち1人は金属バットを振り回している。
まずい…そう思った。
「アイツは?いるんだろ?」とスキンヘッドのおじさんが言った。
私は「知君ですか?今いなくて、アタシも連絡がつかなくて困ってるんです」と答えた。
金属バットを振り回している男が「そんなこと言って隠れてるんじゃねーの?」と言うので部屋にあがってもらい、知君がいないことを確認してもらった。
するとスキンヘッドのおじさんが「お前の電話で電話して帰ってきてもらえ」と私に言った。
私はPHSで知君の携帯に電話をかけた。
いつもなら「電話に出て!」と思いながら電話を掛けてたけど、この時は「電話に出ないで!」と思いながら電話をした。
知君は電話には出なかった。
スキンヘッドのおじさんに「やっぱり電話に出ないみたいです」と言うと、金属バットを持った男が「コイツさらっちまいましょうか?」とスキンヘッドのおじさんに言った。
私の緊張がMAXに達した。
さらわれたらどうしよう…
すると、スキンヘッドのおじさんが「いや…俺らが来たことをアイツに伝えとけ」と言った。
金属バットを振り回してた男は、私をさらえないことが腑に落ちない様子だったけど、スキンヘッドのおじさんの言うことを聞いた。
そして3人は帰って行った。
ドアを閉め、鍵をかけた私は「いったい何がどうなっちゃってるんだろう…知君早く帰ってきて…」と思った。
朝方に知君は帰ってきた。
帰ってきた知君にスキンヘッドのおじさん達が来たことを伝えると、知君はすごい剣幕で「なんでドア開けたんだよ!拉致られたらどーすんだよ!そいつら平気で拉致ったりするんだぞ!」と怒った。
私は私が寝てる間に出掛けてしまってた知君のせいじゃん!その人達と揉めてるって教えてくれてなかったじゃん!と思ったけど、知君にそんな事は言えず「ごめんなさい」としか言えなかった。
知君に何が原因でスキンヘッドのおじさん達が知君を探してるのかを聞いてみたら、どうやらネタ絡みらしい。
スキンヘッドのおじさん達はヤクザだとも言われた。
多分、頼まれたネタを知君がガジり喰い(売り物のネタを抜くこと)をしたんだろうと思った。
それから二週間が過ぎようとしていた。
知君はまだ私ん家に住んでいた。
ネタを体から抜いてた時のこと。
出掛けて帰ってきた知君の右手が包帯でグルグル巻きにしてあった。
私「どうしたの!?その手!」
知君「いやあ、まいったよ。刺されそうになった」
話を聞いてみると、あのスキンヘッドのおじさんが知君の実家をはってて、実家から出てきた知君を包丁で刺そうとしたらしい。
知君の左胸には2cmくらいの刺し傷があった。
知君の生まれ持った瞬発力と喧嘩慣れしていなければ確実に刺されてただろうと思った。
知君の右手の包帯を取ると親指と人差し指の間がザックリ切れていた。
その後、知君が風の便りで聞いた話によるとスキンヘッドのおじさんが金属バットを持った男をボコボコにして病院送りにしたらしい。
金属バットを持った男は信頼していたスキンヘッドのおじさんにボコられたことが許せず、示談の話を断りスキンヘッドのおじさんは刑務所行きが免れなくなったと知君は話した。
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