よっ君と知君が友達という形になった。
よっ君は仕事もせず、サラ金からお金を借りてはネタ(覚せい剤)を引き(買い)に行っては、私ん家で私とネタをやっていた。
私はようやく腕を縛れば自分で打てる…そんな感じだった。
ある時、よっ君がネタを炙るフライパン(計量スプーンみたいな形をしたアルミホイル)を作っていた時、私はよっ君に道具(注射器)を渡して「よっ君も打つ?」と言った。
よっ君は初めてだから赤ペン(赤いキャップのマイジェクター)で3メモリくらいのネタを詰めて倍量の水で溶かして渡してみた。
するとよっ君が「実は初めてじゃないんだよな」と言った。
よっ君も刑務所から出てきた後、刑務所で知り合った人と遊び、その時に打ったことがあるというのだ。
「なら、喰っ(打っ)ちゃいなよ」と私は誘った。
この時、よっ君を誘わなければ…2人の運命も変わっていたかもしれないと後悔している。
「入っかな…のり、打ってくれよ」とよっ君が言ったが、私もようよう自分で打てるようになったばかりで、人に打つなんて怖くては出来ない。
私「前打った時、打ってもらったの?」
よっ君「いや、自分で打ったんだけどよ」
私「じゃあ、自分で打てるんじゃん」
よっ君「わかったよ。自分で打つよ」
そして、よっ君は腕を縛り注射器を握りしめて打った。
2~3回血管に入らなかったけど、ちゃんと漏らさず打った。
ただ、私はよっ君の注射器の持ち方が具合悪いと思った。
注射器に指を添えて持つんじゃなくて、注射器を握りしめて持つのだ。
私は打ち終わったよっ君に「よっ君、その持ち方やめた方がいいよ。」と指を添えて打つ打ち方を教えた。
最初よっ君は握った方が打ちやすいと言っていたが、私がその持ち方は具合悪いからと説得した。
それからは、よっ君も打つようになった。
ジミーのところからネタを引かなくなったことで道具が手には入らなくなった。
使い古した道具をよっ君と使い回して使用する…そんな感じだった。
道具のメモリは消え、シリンジのゴムもガチガチな道具を使って打っていた。
そんなある日、ジミーから私の自宅に電話が掛かってきた。
母が電話に出て二階の私の部屋でパキパキにキマっている私を呼んだ。
でも、私は「あとでかけ直すって言っといて」と電話に出なかった。
後で、知君に聞いた話だとジミーはパクられて八王子留置場から地検に護送される時、脱走したらしい。
この時の電話はもしかしたらその時行くところがなくて私の家に電話してきたのかもしれない。
私は後でかけ直すと言ったけど、ジミーと連絡を取って、知君ともめるのが嫌だったから電話をかけ直すことをしなかった。
ボロボロの道具で喰っていたある日、結局は知君に道具を貰いに行くことにした。
よっ君と知君がそんなに仲良くなかった頃だったので、よっ君の引いてきたネタを持って私1人で知君のアパートに行った。
部屋へあがると私はネタを出して「道具が欲しいんだけど…」と言った。
知君はネタを詰めて水で溶かし自分に打った後に私のも作って打ってくれた。
あれ?嘘?目が回る…
知君は目を回している私を優しく押し倒してきた。
優しく、優しく…
そして、私は知君を受け入れてしまった。
終わった後、道具を貰い家へ帰った。
帰る途中、よっ君に電話した。
私「道具、貰ったよ…」
よっ君「大丈夫だったか?」
私「うん。大丈夫だった。今家に帰る途中」
よっ君「わかった。気をつけろよ」
私はよっ君に嘘をついたのだった。
そして、奇妙な三角関係が始まった。
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