私は8月5日で19歳になったその二ヶ月後の10月12日。
古い家から新しい家に引っ越しが全部終わっていなかった。
父は午前中から古い家の瓦礫を焚き火で燃やしていた。
母は家にいて、私はバイトに行っていた。
母の話によると、お昼になっても帰ってこない父を心配し、様子を見に行ったら、父が胸が苦しいと横になっていたらしい。
母が病院に行った方がいいと父に言い2人で病院へ行った。
病院から私の店へ電話を掛けてきた母。
母「のり子?今病院にいるんだけど…お父さんが具合悪くなって…悪いんだけど仕事終わったら小太郎(飼い犬)の散歩行ってほしいんだけど…」
私「なに?お父さん相当悪いの?」
母「今点滴打ってもらってる…大丈夫だと思う。お医者さんも原因がわからなくていろいろ検査してくれてるから」
私「わかった。小太郎の散歩行くよ。何かあったら連絡して」
電話を切ったあと、まぁ大丈夫だろうと思っていた。
8時過ぎバイトが終わって自転車で帰る途中、病院なんて行き慣れてない父が病院で不安がってるんじゃないかなと思い、帰り道かなり遠回りになるけど父の行ってる病院に寄ることにした。
家に向かって走ってた自転車を引き返して病院に向かった。
受付で父がどこにいるかを聞いて父のベッドまで行くと、父と母が私が来たことを驚いていた。
私「ちょっと心配だったから、寄ってみた」
母「のり子は病院寄らないで帰ったと思った…小太郎の散歩頼んだし…」
私「すぐ帰るよ…病院に慣れてないパパが不安がってるんじゃないかなと思って寄ってみただけ」
すると、母が私のジュースを買いに自販機へ行った。
その時父が「なんか、御先祖様が迎えに来たような気がする…」と言った。
私は「何言ってんの!?検査しても何も引っかからなかったんでしょ?大丈夫だよ!」と大丈夫という言葉を強調して言った。
父が弱気になってるだけだと思った。
私は母が買ってきたジュースを飲み終わると小太郎の散歩があるので病院をあとにした。
小太郎の散歩が終わって、知君も居なかったのでよっ君に電話をし、よっ君が原チャリで家に来ることになった。
すると、9時過ぎに父と母が病院から帰ってきた。
父は二階のベッドで寝ると言い二階へ上がっていった。
私「原因はわかったの?」
母「ううん。どこも悪くないって」
私「じゃあ、大丈夫だよ!」
そんな会話をしてると、父が二階から下りてきて日本酒とお塩を持って出掛けると言いだした。
古い家のお清めに行くというのだ。
母は止めた、私は「パパが行くって言うからいいんじゃないの?」と言った。
そして、父は自転車で10分の古い家に出掛けていった。
それが父と会った最後になった。
自転車で片道10分の所に出掛けていったはずなのに30分経っても帰ってこない。
心配した母が自転車で父を探しに出掛けた。
15分後、家電が鳴った。
出ると母で「お父さんの自転車があって、お父さんいないから探してたらパトカーが来て、お父さん亡くなったって」と泣きながら言った。
え?お父さん死んだの?
私はすぐよっ君に電話して事情を話した。
よっ君はすでに家を出たあとだったけど「わかった。しっかりしろよ」と引き返してくれた。
よっ君との電話を切ると同時に母とパトカーが私を迎えにきた。
道端で倒れてる父を通行人の人が見つけて、救急車を呼んでくれたらしい。
その時にはもうすでに亡くなっていたらしい。
搬送先の病院まで母と私をパトカーが乗せていってくれた。
病院に着いて連れて行かれたのは霊安室だった。
父がベッドに寝かされている。
母は泣き崩れた。
泣き崩れる母を横目に葬儀屋が名刺を渡してきた。
病院関係者も警察官も葬儀屋も早く遺体を家に連れて帰れって雰囲気だった。
私は母に「のりがいるから大丈夫。ね」となだめながら「とにかく親戚や知り合いに連絡しなくちゃ」と言って、葬儀屋に父を家に運んでくれるように頼んだ。
その時、父が何で死んだのか原因を聞いたけど、原因はわからない突然死だと言われた。
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