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.*フェニルメチルアミノプロパン*.~覚せい剤やめますか?それとも人間やめますか?~薬物乱用から断薬までの道
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六本木で現行犯逮捕された私達は、私とだいち君は自宅へ帰され、よし君だけが留置された。

最後までかばってくれたよし君。

よし君を信じてなかった私。

逮捕されてよし君だけが留置されて会えなくなって…よし君に会いたい…私は逮捕されて自宅に帰ったあと自室に籠もり泣いていた。

よし君と一緒がいい。



一週間ほど経った時、よし君のお母さんから「嘉和の面会行くけど、のり子ちゃんも一緒に行く?」と電話が掛かってきた。

もちろん会いたい、でも「行きたいです…でも私共犯者だし…一緒に行っても大丈夫なんですか?」と聞いてみた。

よし君のお母さんはよし君が留置された翌日に面会と差し入れをしに麻布警察署に行っており、その際私が面会出来るのかを刑事に聞いてきてくれてて、私も面会出来ることを確認してきてくれていた。



よし君に会える。

それだけで嬉しい…そう思っていた。



よし君のお母さんと待ち合わせをして六本木に向かう電車の中、よし君のお母さんに「嘉和の部屋にあったパイプもシンナーも探し出して処分したよ」と言われた。

そう言われて、確かによし君ん家には処分しなくちゃまずい物が残っていたと気づいた。

「最初に面会しに行った時、嘉和の目の動きで、まだ部屋に見つかるとまずい物があるってわかったわよ。それにしてもあのシンナーの量には驚かされたよ」とよし君のお母さんは言った。

え?シンナーも処分されたの?でも逮捕されちゃった今、そんな事思っちゃいけないと思った。

とにかく、よし君と今までどうり2人で暮らしたい。

草(大麻)もシンナーも無くったっていい。

よし君と一緒にいたい。



麻布警察署に着いて留置場の面会室に入ると、ドレットだった髪はアフロのようになり、今まで見たことがない質素な服のよし君がガラス越しに座っていた。

逮捕された現実を突きつけられた私は涙がとまらなかった。

よし君に会いたくて面会に来たのにガラス越しでよし君に触る事も出来ない。

涙がとまらない。

話したいことも何も言葉に出なかった。

面会時間たったの15分はあっという間で、私は泣くことしか出来なかった。

よし君は私も一緒に面会に来たことが嬉しいらしくニコニコしていた。

泣いてばかりの私に「そぉんな、泣くなよぉ。俺まで泣きたくなっちゃうじゃんか」とよし君も涙を浮かべた。

面会時間終了って瞬間、私は「のりは大丈夫だから!心配しなくて大丈夫だから!」と言うのが精一杯だった。

よし君に会いたくて行った面会だったのに、面会に行って感じたのはよし君に会えて嬉しいではなく、逮捕さたという惨めな現実だった。



帰りの電車でも私は泣いていた。

よし君のお母さんに「こんなことになっちゃうんだから薬はもうやめなさいよ」と言われ、「はい…わかりました」と私は答えた。



なのに……



逮捕されてから二週間たった頃、私の携帯が鳴った。

番号を見てみるとよし君からだった。

え!?よし君???私は慌てて電話に出た。

「もしもし、よし君?」と電話に出ると「ぉおっ!のり。とりあえず出てこれてさぁ。明日俺ん家来いよ」と言われ、私の気持ちはルンルンになり「わかった行くよ!」と翌日よし君ん家に行くことになった。



翌日、よし君ん家に行った。

「どうして出てこれたの?」とよし君に尋ねると、保釈金500万円をよし君の叔父さんが出してくれたので、保釈され出てこれたという話だった。

保釈金???500万円?と理解出来てない私によし君は「保釈金の500万円は、俺が裁判所にちゃんと出頭すれば却ってくるから大丈夫!保釈金は俺が逃亡した時の捜査費用みたいなものだから」と説明してくれた。

ふと、寝室のドアを見ると何か貼り紙が貼ってある?

何これ?と読んでみると保釈するにあたっての誓約書だった。



決められた一定の住所に居住すること、よし君の叔父さんの下仕事をすること、裁判所から出頭通知が届いたらその日時に出頭すること…10コくらいの誓約が書かれてあった。

その中の一つに裁判の判決が出るまで私と連絡とらないことっていうのが書いてあった。

よし君に「誓約書にアタシと連絡とらないことって書いてあるじゃん。よし君ん家にアタシ来たのまずくない?」と言ったら「だってよぉ、のりに会いたかったんだよ。大丈夫だって!まぁ、かぁちゃんにバレたらまずいけどな」と言われた。

私だって、出来ることならよし君と一緒にいたい。

裁判所が、よし君と私が会ってるかをわざわざ確認しに来ることはないだろうし、確かによし君のお母さんにバレたらまずいけど、よし君と一緒にいたい。

よし君ん家に泊まるのは無理でも、昼間少しだけ会うなら大丈夫かなと思ったので、誓約書についてはそれ以上ふれなかった。



しばらくの時間よし君ん家に居ると、よし君が「そろそろ、かぁちゃんが様子見に来るから、来たらのりは寝室のベランダに隠れちゃえばいいからよ。かぁちゃん長居はしないから大丈夫」と言った。

お昼1時頃、よし君のお母さんがよし君の部屋にやってきた。

よし君がテレビの部屋でよし君のお母さんと話をしてる間に私は静かに寝室のベランダへ出た。

ベランダでよし君のお母さんが帰るまで待っていた。

外は霧雨で梅雨の雨の匂いがした。



よし君に会いによし君ん家に行っていたら、とうとうよし君のお母さんに見つかってしまった。

よし君のお母さんは怒りと呆れたという表情をした。

よし君が「俺が電話して呼び出したんだよ!!」とよし君のお母さんに言ってケンカになった。

ケンカは、よし君のお母さんが「勝手にしなさい!もう知らない」と呆れて終わった。



よし君が「仕事が休みの時には迎えに行くからよ。かぁちゃんのことは気にすんなよ」と言った。



メディアではオウム真理教が騒がれてた時代だった。


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