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.*フェニルメチルアミノプロパン*.~覚せい剤やめますか?それとも人間やめますか?~薬物乱用から断薬までの道
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物見君には高校生の彼女(れい子ちゃん)がいた。

物見君はよっ君ん家に一緒に住み始めたことでれい子ちゃんと会う機会が少なくなってしまっていた。

秋のはじめの頃、物見君の彼女が誕生日だという話が出て、私は初めて物見君に彼女がいるということを知った。

それまでは物見君が彼女の話をしなかったせいもあり、私はてっきり物見君には彼女はいないと思っていた。

れい子ちゃんの誕生日の日、れい子ちゃんをよっ君ん家に呼んでもいいかと物見君が聞いてきた。

周りの仲間が離れていった中、よっ君について来てくれた物見君の彼女を私は快く迎えてあげたいと思った。

よっ君もれい子ちゃんを呼んでもいいと言った。



れい子ちゃんの誕生日の前の日、物見君がれい子ちゃんにプレゼントする品物を買うため、よっ君と物見君と私の3人でデパートまで行くことになった。

物見君はプレゼントを何にしようか考えてなかったようで高島屋の中をグルグルして、結局よっ君に何がいいかなとアドバイスを求めてきた。

3人であれでもないこれでもないとれい子ちゃんにプレゼントする品物を探して、化粧品がいいんじゃないかという話になり、資生堂やら、ランコムやら売り場を徘徊し、ディオールの売り場でよっ君が「ぉ!これこれ!のり!この香水いい匂いじゃね?」と店員さんにサンプルを貰ったのをきっかけに、れい子ちゃんにプレゼントする品物はディオールの香水にしようという話になった。

たくさんの香水のサンプルを店員さんが出してくれた。

物見君はかなり悩んで、新作の石鹸の香りがする香水にしようかなと決めかねていた。

悩む物見君に、よっ君も私もれい子ちゃんがまだ高校生ということで、あまりキツい香りのする香水より、石鹸の香りがする香水がいいよと勧めて、プレゼントはディオールの石鹸の香りがする香水に決まった。




れい子ちゃんの誕生日、れい子ちゃんは千葉県の浦安から電車で東京都の昭島まで出てきた。

私はどんな子が来るのか、ちょっと緊張したけど、物見君が昭島の駅までれい子ちゃんを迎えにいって、よっ君ん家に連れてきたれい子ちゃんは私の想像した以上に綺麗な子だった。

とにかくスタイルがいい。

ウエストはくびれてて、バストもあった。

れい子ちゃんの着てきた洋服がへそ出しだったせいもスタイルの良さを引き立てていた。



物見君が買ってきたプレゼントを渡すとれい子ちゃんは喜んで可愛く笑った。



その後はいつもとおんなじでよっ君も私も物見君もがS(覚せい剤)を炙り、れい子ちゃんにもSを勧めて4人でキマりながら雑談という流れになった。

私がれい子ちゃんにウエストくびれがすごいねと言うと、れい子ちゃんは高校でチアガールをやっていて練習がすごいハードだからと言った。

私は健康的なスタイルの良さをうらやましいと思った。



夜遅くまで4人でテレビのある部屋でSを炙って話し込んでいたが、れい子ちゃんの誕生日だということで私が「夜になったし、れい子ちゃんもSキマったみたいだし、よっ君とアタシはこのまま過ごしてもいいけど、物見君はれい子ちゃんと2人で過ごしたいでしょ?ソファーベッドの部屋で2人で過ごしたらいいよ。なかなか会えないんだし」と物見君にれい子ちゃんをソファーベッドの部屋に連れていきなよと気を利かせた。



物見君とれい子ちゃんがソファーベッドの部屋に入り、少し経つとソファーベッドの部屋かられい子ちゃんの喘ぎ声が聞こえてきた。

よっ君と私がSをキメてるテレビの部屋とソファーベッドの部屋はベランダで繋がっていて、よっ君が「ちょっと覗いてみようぜ」とベランダに出て行った。

私は「やめときなよ」と言ったけど、よっ君の好奇心は収まらず、夜中にベランダで隣の部屋を覗いていたよっ君。

誰かが夜中にベランダで部屋を覗いてるよっ君の姿を見たとしたら、普通じゃないと思うだろうということもその時は気にならなかった。

異常行動も判断が出来てなかったし、誰も異常行動を注意する人も居なかった。



朝方覚せい剤やめますか?それとも人間やめますか?のCMが流れた後 、テレビの部屋でよっ君と2人でSを炙っているとソファーベッドの部屋かられい子ちゃんが出て来た。

れい子ちゃんがSを炙りたいと言うので、手作りパケにSをわけてあげるとれい子ちゃんは喜んでSを炙り始めた。

夜遅くまでれい子ちゃんはよっ君ん家で過ごして帰って行った。



れい子ちゃんが帰った後、よっ君が「あれ?Sこんなに少なかったっけ?」と言い、れい子ちゃんがSを隠れて持ち帰って行ったんじゃないかとグリッた(勘ぐった)。



段々とれい子ちゃんがSを抜いたんだと怒ってきたよっ君は、怒りの矛先を物見君に向け始めた。

私もその時よっ君に「S少なすぎねぇ?れい子ちゃんだろ」と言われて「うん。少ないと思う」と答えたけれど、今振り返るとれい子ちゃんがSを隠れて持ち帰ったとは言えないと思う。

ただ、その時はよっ君も私も自分達がグリッてるということもわからなかったのだ。



よっ君は物見君にすごい剣幕で怒鳴り散らして「おいっ!こら!おめぇの女がしたことわかってんのかよ!どう落とし前つけてくれんだよ!あ?」と言い、物見君は自分が責任とるからとよっ君に言った。

よっ君は「おお!お前が責任とるんだな!」と言い終わると同時に冷蔵庫の前に座っていた物見君の顔面を何度も殴りつけた。

私は煽るわけでもなく、止めることもしなかった。

怒り狂っているよっ君のそばで私はマニキュアを塗ることに集中していた。



殴られた物見君は大量の鼻血を流した。

顔が腫れ上がり、物見君の顔が物見君だと判断出来ないくらいになった。

殴られた物見君の右目は、目が半分しか開いていない。

よっ君が殴りつけるのをやめると同時に、私は冷凍庫から大量の氷をビニール袋に入れ、濡れたハンドタオルでくるみ物見君に渡した。



そんな事があっても、物見君がよっ君ん家から実家に帰りたいと言うことも無かった。

よっ君と私同様、物見君もSという悪魔に取り付かれていたのかもしれない。

3人暮らしは微妙なバランスを取りながら終わることはなかった。

よっ君に殴りつけられた後、物見君がれい子ちゃんの話をすることは無かったし、れい子ちゃんに会いに行ってる様子も無く、物見君とれい子ちゃん2人がどうなったのかはわからない。


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