知君が私ん家に転がり込んできて1ヶ月は何の問題もなかった。
強いて言えば、知君が職についていないことぐらいで、私ん家に居れば家賃、光熱費、食費はかからないからさほど問題でもなかった。
ネタ(覚せい剤)の売人を辞めた知君はネタもやらないで、私と2人でいちゃいちゃしながら1ヶ月が経った。
でも、ネタは止めれなかった。
1ヶ月経った頃、知君が先輩(みっしー)のところからネタを引く(手に入れる)ことになり、私も喰い(打ち)たかったから、知君が先輩からネタを引きに行くのを私は家で待つことにした。
知君が家を出て、二時間が経っても帰ってこない。
しびれを切らした私は知君に電話した。
「あと、もう少しで帰るから」と知君は言った。
それでも、知君は帰ってこない。
ネタを引きに行ってるから、私はパクられたんじゃないかと心配になり、また知君に電話した。
「あと、もう少しで帰るから」と知君は言う。
私もネタが喰いたい…いったい何時になれば帰ってくるのだろう…パクられてたらどうしよう…そんな私の気持ちも知らずに知君はみっしーと一緒にネタを喰って丸3日帰って来なかった。
帰ってきた知君はとにかく俺の話を聞いてほしいと言い「のりが怒るのも無理はないから…ごめんな。のり。もし、許してもらえないなら俺にはどうすることも出来ないけど、許してほしい」と言った。
怒り心頭だった私の気持ちの行き場がなくなった。
私が怒る前に許してほしいと言われたのだ。
別れたくない…別れたくないなら許すしかない…許すなら怒れない。
私は無言で考えた。
結論は別れたくない。
別れたくないなら謝る知君を責めることは出来なかった。
「わかった。許すよ」と私が言うと、知君は「これ。のりの分…」とネタを取り出しポンプ(注射器)に詰め水で溶かして私に打ってくれた。
そして2人の甘い時間を、そのまま快楽の世界になだれ込んでしまった。
その後謝った知君はネタが絡むと、外から帰ってこないことが増えていった。
先輩、友達、きっと女…
私はキープ、そんな感じだった。
ネタを引いて、喰ってキメセク(キメてS○X)してる最中に友達から電話が掛かってくると、知君はネタと道具(注射器)を持って出掛けてしまう。
私は喰ってるから当然寝れないし、ヨレてくる。
知君は「女が自分で漬けるようになったらお終いだ」と言いネタと道具を置いていってはくれなかった。
私だってネタが喰いたい。
打たなくたって炙りでもよかった。
知君が少しネタを置いていってくれてれば、気持ち的に違ったんだと思う。
でも、知君はネタを置いていってはくれなかった。
そんな帰ってこない、私にネタを漬けるだけ漬けて遊びに出掛けちゃう、出掛けちゃうくせにネタも置いていってくれない状態が続いたとき、私の限界がきた。
しゅん君…
しゅん君の仕事は職人だった。
朝の5時までに連絡がとれればと思い電話した。
知君はいつも通り帰ってこない。
電話を掛けたら電源が切られてた。
大丈夫、バレない。
しゅん君は仕事行く直前でもネタを持って来てくれた。
しゅん君に打ってもらうが、なかなか血管に入らない。
自分で打てる自信もない。
「ネタが喰いたいんだけど」と言う私に、ただネタを持ってくるだけのために、わざわざ家の近くまでネタを持ってきてくれるしゅん君に感謝していたので一発で入らないことなんて気にならなかった。
しゅん君に入れてもらい家に帰って知君を待った。
知君は帰ってくるといつもと同じ「許してほしい」と言った。
私は知君を許し続けた。
怒りをぶつける事も出来なかった。
知君は頭のよさは群を抜いていた。
ズルい…正直私は、知君はズルいと思っていた。
私が怒る前に「許してくれないなら、俺にはどうにも出来ない」と言い、私が別れられないことをわかってるからこそ言える言葉を並べ、私が何も言えなくなるように話をする知君。
私はこの頃から、知君にはかなわないという気持ちが強くなっていった。
知君との話し合いは、よっ君の時のようなお互いの気持ちをぶつけ合う物ではなく、話の主導権は知君が持ち、知君が私を納得させるような感じだった。
知君が悪いことしても知君の思うように私をコントロールしてるそんな感じで、私が悪いことしたら逃げ場がなくなるくらい責め立てられ、私は泣きながら謝り続ける状態だった。
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