春くらいから頻繁にイラン人のジミーからネタ(覚せい剤)を引く(買う)ようになった。
そして、知君と私はどんどんとジミーと仲良くなっていった。
最初はネタを引きにいってジミーとパチスロをするようになった。
私はパチスロとかパチンコとかはさっぱりだったのでスロットをやっている知君の隣に座り見ているだけだった。
たまに私も、よくわからないスロットをやってみたりしたけど全然ダメだった。
私は童顔だったからスロットやってたとき「18歳以上ですか?」と店員さんに言われることが多々あったけど、そのたび知君が「20歳だよ!」と言ってくれていた。
実際は18歳なんだけど煙草を吸ってるから20歳と言ってくれていた。
そのうち、知君はジミーの出してくれるお金でスロットをやるようになっていった。
私はパチンコ屋さんはあまり好きじゃなかった。
ネタが効いている。
パチンコ屋さんの大音量とたくさんの怪しい人でグリッ(勘ぐっ)てしまう私は耐えられなくなると1人車に戻っておとなしくしていた。
知君もジミーも閉店まで出て来ない。
そんな事をしているうち完全にジミーと友達になった。
ジミーの部屋へ上がり込むようになった。
ジミーと遊ぶ時はネタをただでもらえるようになっていった。
もちろんお金を払って買うときもあったけど、どんどんジミーん家に遊びにいくことが増えていって、ジミーが新しいネタを仕入れた時、ジミーは炙り専門(外国人は注射を気持ち悪いと思ってて炙りの人が多い)で打ったらどんな感じなのかを知君と私に感想を聞いてくるようになっていった。
この時点でジミーからネタを貰えるようになったので、知君と私はネタを買わなくなった。
ある時、ジミーん家に遊びに行くとネタもあったけどコーク(コカイン)も大量にあった。
とりあえず、ネタを喰ってからコークをやることになった。
ガラステーブルにコークを出して二枚の定規で15cmくらいの細い線を三本作り並べた。
コカインは覚せい剤と違い体質的依存で、妊娠した時にコカインベイビーといって奇形児が産まれると聞いたことがあったので、あまりやりたくはないけど一度くらいはやってみたい…そう思った。
コークの三本線の端を指につけて歯茎に塗ってみなよとジミーが言うので歯茎に塗ってみた。
すると口元が麻痺したような痺れた感覚になった。
まずは知君がストローでコークを吸った。
次はジミー、そして私。
コークを吸うと血圧が一気に上がるのがわかった。
キマった。
そして3人でパチンコ屋さんに行った。
ある時、ジミーが彼女ともめてるという話になった。
彼女はつい最近までジミーと一緒に暮らしていたけど、彼女が可愛がってる犬、ポメラニアンをジミーは嫌がってて、犬の方が大事だった彼女はとうとう出て行ってしまったという話だった。
ジミーは知君と私に彼女が帰ってきてくれるように彼女を説得して欲しいと言った。
そして3人で彼女がいる池袋まで出て行き彼女に会うことになった。
彼女の住む部屋に着くとジミーが知君と私が話をしにいくからと電話をし、知君と私は彼女の部屋へ上がった。
彼女は外国人だった。
彼女の話を聞くとジミーにつきまとわれて迷惑している、犬を可愛がってくれない、今の仕事は楽しいし大事、という話で、ジミーがたびたび池袋の彼女の部屋へ来ては管理人さんともめたり暴れたりしていると言われた。
知君と私でそれだけ好きなんだよと言ったけど、彼女はポメラニアンを抱きながら「この子いじめる」と言い、「今の私、仕事大事…それをわかってくれない」と言った。
彼女は夜の仕事で働いていた。
これ以上しつこくされるなら店のケツ持ちのヤクザに出てもらうとヒステリックに言い放った。
知君も私も説得は無理だと感じ彼女の部屋をあとにした。
車に戻るとジミーが「どうだった?」と聞いてきたけど、知君が「ジミーさぁ、暴れたりしてるから無理だよ」と彼女の言葉を伝えると「もう、暴れたりしないから」ともう一度説得して欲しいと言ったけど、ヒステリックだった彼女の様子で無理だと思ってた知君と私は「彼女のことはあきらめた方がいい」とジミーに言った。
帰りの車の中ジミーはすごく落ち込んでいた。
いつもは知君と私がジミーの家に遊びに行っていたけど、その日はジミーが私の家に遊びに来た。
ジミーの家はきれいに片づけられていたけど私の部屋は散乱していて、ジミーはビックリしただろう。
それ以上に、外国人を連れて帰ってきた知君と私を母はビックリしただろう。
その時はジミーが新しいネタを引いてきたばかりで私ん家で小分けにすることになった。
ジミーは手作りパケで売っていたので、私がパケを作る係りで計りで計ってネタを入れる係りはジミー、そのパケを蓋をする係りが知君って感じで100㌘を小分けにしていった。
ジミーはネタを炙っていたけど流し(アルミホイルを二つ折りにしたやつ)であぶってたので、フライパン(アルミホイルを計量スプーンみたいな形にしたやつ)を教えてあげたら喜んでフライパンで炙り始めた。
たわいもない話をしながらコツコツとネタを小分けにしていく…するとネタを炙ってたジミーが小学生の使う粘土みたいな黒い固まりを取り出して小指の先ほどの大きさにちぎり丸めて飲み込んだ。
「何?今何食べたの?」と聞くと、阿片だと言う。
ジミーは阿片中毒だった。
阿片が切れると腰痛の激痛が走るらしい。
ジミーも勧めてこなかったし、知君もやらなかったので私も阿片はやらなかった。
そしてネタを小分けにし終わってジミーは帰って行った。
ジミーが彼女のことをあきらめかけた時、女の子を紹介して欲しいと言ってきた。
知君と私は清佳を連れてジミーの家に向かった。
ジミーの家に着いて部屋へ上がると、清佳の事を見たジミーは苦笑いをした。
ジミーの好みじゃなかったみたいだった。
とりあえず、知君、清佳、私はネタを喰うことにした。
ジミーが台所に置いてあったお皿を出した。
そこにはてんこ盛りになったネタが乗っていた。
私が道具(注射器)を片手に「すごーい!」とはしゃいでると、ジミーは私の持ってる道具を取って中くらいのガンコロ(覚せい剤の結晶)を道具に詰めようとしてくれた。
ガンコロが大きすぎて道具に入らない。
別室にいた知君が台所にやってきた。
知君は「ジミー!そんなののりが喰ったら死んじゃうよ!」と慌てた。
それでもガンコロを道具に詰めるジミー…結局、一度水を吸って捨てたあと再び吸って水で溶かし知君に打ってもらった。
入れ終わるとともに、凄まじいネタ汗が噴射した。
「ちょっと入れすぎたかも…」と言いつつ、キマった私はジミーにイランで自己紹介はなんて言えばいいの?とか、イランでのり子ってどう書くの?とかくだらない事をジミーに聞いたりしていた。
その合間に知君が喰い、知君が清佳に打ってあげた。
すると、入れた量が大した量じゃなかった清佳が具合悪くなったらしくベッドに横になった。
ジミーはパチンコ屋さんに行くと言う。
知君も一緒にパチンコ屋さんに行ってしまった。
私は「大丈夫?」と言いつつ、ティッシュの箱にイラン語でのり子とたくさん書き続けた。
しばらくすると清佳が元気になったので知君に電話をし、戻ってきてもらい4人でビリヤードをやりに出掛けた。
ビリヤードに向かう車内でジミーはイラン語で電話をしていたけど多分女の子を紹介してもらったけど好みじゃなかったと話してる様子だった。
ビリヤードするときも、なぜか知君と清佳、ジミーと私で対決した。
私も清佳もビリヤードなんて中学生以来で下手くそだったので最終的には知君とジミーがビリヤードやってた形になったけど、それなりに楽しかった。
ジミーの所に遊びに行った帰り道は内偵で車をつけられてないかを警戒し関係ない道をグルグル走り家に帰っていた。
夜は一方通行の細く長い道に入り30mほどの所でエンジンを切ったりした。
尾行されてたら後ろから車がついて来る。
でも尾行はされてなかった。
知君はとても用心深かった。
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