1995年6月7日23:55六本木で大麻取締法違反で現行犯逮捕された。
よし君とだいち君、私、3人ともパトカーに乗せられ麻布警察署に連行された。
よし君のGT-Rは警察官が運転してきたけど、クラッチを改造してあったので警察署に着くまで3回エンストした。
警察署の取り調べ室はもちろん3人バラバラ、私は家出したりしてたけど、それまで警察に補導されたこともなかったので、生まれて初めての警察署だった。
取り調べ室に生活安全課の刑事と2人きり、話を聞かれて答えていてもいまいち逮捕されたという実感が湧かない。
取り調べ室の扉は開いていた。
扉の外に目をやると虐待から保護されてギャーギャー泣きわめく子供の声が響きわたっている。
「今まで何回くらい大麻を使ったんだ?」と刑事に聞かれても、毎日吸ってたなんて言えない。
「月に2~3回くらいかな…」と答えた。
刑事に「今日はどこで大麻買って来たんか?買った帰りだろ?どうやって手に入れたんだ?」と聞かれた。
私は「今日初めて一緒に連れて行ってもらったので場所も入手経路もわからないです」と答えると、刑事は「だいたいの場所くらいわかるだろ?どんな場所だった?」と詳しく聞いてきた。
私は「高速のインターは浦安で降りたけどそれ以上は詳しく場所わからないです。買った場所はどっかの交差点でそれ以上はわからないです」と言った。
刑事は調書を手書きで書いてた。
名前、住所、生年月日、大麻の使用頻度、大麻の入手経路、大麻をなんて呼んでたか…。
私は、よし君がどんな調書を巻いても話が合うようにと曖昧に、よし君がなんて言うかわからない部分は「知らないです」「わからないです」と答えた。
私が調書を巻いてると、よし君の取り調べをしていた刑事が「いゃあ、参ったよ。連れの男の方、女も友達も自分が大麻持ってるのは知らなかったの一点張りで調書が巻けない」と私の調書を巻いている刑事に言いに来た。
え?まだよし君私のこと、かばってるの?と思うと同時に、大麻を持ってること知らなかったと答えればよかったと思った。
私は草(大麻)が草で発見された時、よし君はきっと私を道連れにするだろうと決めつけていた。
よし君を信じていなかった。
私は、なんでよし君を信じなかったんだろうと自分を責めた。
初めて人を信じてもいいんだと思った。
よし君に信じることを教わった。
当時、少年法は16歳から適応されてたので、まだ15歳だった私は調書を取り終わると両親を呼ばれ自宅に帰されることになった。
え?よし君は???
私が「よし君ん家に帰りたいんですけど…よし君はどうなるんですか?」と刑事に尋ねると「連れの男?ぁあ、奴は帰れねーなぁ。留置場入るから」と言われた。
私は、え?留置場???え?帰れないの???と動揺し「アタシも留置場入る!
アタシだって同罪でしょ!?」と刑事に言ったけど「君は未成年だから留置場は無理なんだよ」と言われた。
そして調書を巻き終えた私は、二時間くらい麻布警察署で迎えに向かってる親を待ちながら、大変な事になってしまったと取り返しのつかない現実を受け入れるのに必死だった。
両親が警察署に来て私は実家に帰された。
帰りの車の中、自分がこれからどうなるかの心配より、よし君が留置されて戻ってこれないことに心を痛めた。
今まで、警察にお世話になったことがなかった私は、よし君がどうなっちゃうのか全くわからない。
草(大麻)ってそんなに罪が重いことも知らなかったのだ。
だってシンナーだって、草だって、みんな吸ってたし。
でも振り返ると誰かがシンナーや草でパクられた話を聞いたことがなかった。
私は保釈とか、執行猶予とかを知らなかった。
刑務所…その言葉が頭をよぎった。
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