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.*フェニルメチルアミノプロパン*.~覚せい剤やめますか?それとも人間やめますか?~薬物乱用から断薬までの道
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よっ君はソファーベッドの部屋でS(覚せい剤)を炙りながら、買ってきたばがりの奥田民生の息子という曲のCDを歌詞を見ながら熱唱していた。

私はテレビの部屋でSを炙りながらテレビを見ていた。



すると、よっ君が「なぁ浦安に遊びに行かねえ?」と言い出した。

私は大麻取締法違反で逮捕された経験上Sをキメてる時は出掛けたくなかった。

Sを買いに行くのはリスクはあるけど仕方がない。

Sを買いに行く行き帰りだけでも危ないのに、なんでよっ君は浦安に行こうと言うんだろうと思った。



よっ君は草(大麻)とチョコ(大麻樹脂)よりイイ物が手に入るようになったことを仲間に報告したかったようだった。

そして、浦安に行くことになった。

私とよっ君はフライパン(Sの付着したアルミホイル)を何個か作って車に乗り込み出発した。



安全運転で二時間くらいして浦安まで出てきてから、仲間のシンジ君に電話を掛けて、今浦安まで出てきたからと言うとシンジ君ん家に他の仲間が集まってるという話だった。

なんだ!みんな集まってるんじゃん!と上機嫌なよっ君。

私はみんながシンジ君ん家に集まってることが引っ掛かった。

よっ君が大麻取締法違反で逮捕されてから仲間からの連絡がこなくなってたことも気になってた。

でも、みんな集まってるし、私の考え過ぎかなと思って集まってる仲間に会いに行った。



シンジ君ん家に着いて、よっ君と2人でシンジ君の部屋に入ると、私の嫌な予感が的中したのだった。

仲間の表情が固い。

そして、空気が重い。

すごい物あるんだぜ!と上機嫌でSを教えに出てきたよっ君の表情も曇った。

シンジ君が「村上さぁパクられたじゃん…俺らパクられたくないからさ…もう前と同じようにはなれないから…」と集まってる仲間を代表するかのように言った。

よっ君はショックだったと思う。

パクられても誰一人仲間の名前は出さなかったよっ君。

一緒にいてパクられたくないという仲間達。



私が怒り心頭のよっ君を「もういいじゃん?よっ君帰ろう?」と半分無理やりに車まで連れてくると、よっ君は涙目で「ふざけてんじゃねーよ!あいつらを売らなかったのになんなんだよ!」と電柱にあたりながら叫んだ。



「もう、いいじゃん。ガチャがいるじゃん」と私は言った。

が、よっ君の裁判の判決が出る前にガチャも他の仲間同様、よっ君から去っていった。

よっ君の叔父さんの会社で一緒に働いてて、昭島で1人暮らしをし頻繁によっ君ん家に遊びに来ていたガチャが、突然アパートを引き払い、仕事を辞め浦安の実家に帰ってしまうとは思いもしなかった。



私の仲間の方は、清佳と加代子が残った。



よっ君は大ちゃんしかいなくなったと思ったら、気弱そうだった物見君がよっ君のもとに残ったのだった。

よっ君は、物見君に一緒に仕事をしようと誘った。

物見君に住む所がないと言われたよっ君は「金貯まるまで俺ん家住めばいいよ!いいよな?のり」と3人で暮らそうと言った。

私は物見君を嫌いじゃなかったし、よっ君にも仲間がいた方がいい気がしたので一緒に住むことを承諾したのだった。



よっ君と私がSを炙ってたら、物見君もSを炙るようになった。

そうして、よっ君、物見君、私の奇妙な3人暮らしが始まった。

3人暮らしに時々、清佳だったり加代子だったり大ちゃんが交ざるという人間関係、人付き合いになった。


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