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.*フェニルメチルアミノプロパン*.~覚せい剤やめますか?それとも人間やめますか?~薬物乱用から断薬までの道
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1995年11月25日、その前日から加代子が来ていた。

加代子は妊娠しており、妊娠4ヶ月に入るところで15万円のお金を作って、親に内緒で中絶したいと相談に来ていたのだった。

売り(売 春)するしかないと言う話になったけど、私は売りをする気は無かった。

S(覚せい剤)を炙りながら加代子の中絶のお金をどうやって稼ぐか話合ったけど、正直に親に言った方がいいんじゃないかと私は言った。



物見君はたまたま千葉の浦安の実家に帰っていてよっ君ん家には、よっ君と加代子と私しかいなかった。



25日の夕方4時頃、よっ君のお母さんがよっ君ん家にやってきて、ドア鍵のチェーンの輪っかと輪っかを鍵でくっつけていたよっ君ん家のドアをガチャガチャと開けようとしたけど開かずドアの外で「嘉和!開けなさい!」と大きな声でよっ君を呼んだ。

よっ君は「わかったよ!ちょっと待ってろよ」と言って渋々ドアを開けた。

「アンタいい加減にしなさいよ!」とよっ君のお母さんの怒声が寝室にいる私にも聞こえた。

よっ君は「わぁかったよ!今、のり子の友達来てっから」と怒っているよっ君のお母さんを無理やり追い返してしまった。



その日もひたすらSを炙り続けてた私は、寝てないのが5日目に入り、11月末なのに部屋は冷房でキンキンだったにもかかわらず滝のようなネタ汗を流していた。



よっ君のお母さんが帰ってから30分後に加代子は家に帰って行った。



よっ君と2人になった私達は久しぶりにHをしようということになり、私はシャワーを浴びて、よっ君は煙草を自販機に買いに行った。



そしてS乱用の日々に突然終わりがやってきた。



よっ君ん家にマル暴が7~8人と、他にも4~5人の団体御一行様がドアのチェーンを切るガッチャンを持参して意気込んでガサ礼状を持って来たのだ。

礼状には銃刀法違反と書いてあった。



よっ君は鍵をかけずに煙草を買いに行っていて、私はシャワーを浴びていた。

ガサに来た刑事達は私がシャワーを浴びてることに気がつかず、玄関で帰って来るだろうというよっ君を待っていたらしい。



私がシャンプーしてるとガタン!ドタドタ!!という音が聞こえた。

私はよっ君がテンパったのかと思った。

「よっ君?大丈夫?」と声をかけると、バスルームの扉をドンドンドンと叩かれて私がバスルームの扉を開けるとそこには男の刑事がいて「昭島警察だ!」と言われた。

私は受け入れがたい現実に思考回路が停止し、バスルームの扉を閉めて「なんで、よっ君の叔父さんが来てるのだろう???」とテンパった。



コンディショナーを流してバスルームを出ると女の刑事がいて「丁度よかったゎ。身体検査しなくてもいいわね」と裸の私に言った。



洋服を着て脱衣所からテレビの部屋に出ると10人以上の刑事で溢れかえっていた。

その光景を見た途端、私は目を回してその場に座り込んでしまった。



お風呂上がりでやたら喉が乾く「麦茶が飲みたい」と言ったけれど、刑事に何も触るなと言われてしまって麦茶も飲めない。

よっ君が麦茶くらい飲ませろよと刑事に言ってくれて、若い刑事がコップに麦茶を注いでくれた。



よっ君ん家には10万円分のSと草(大麻)が至る所に散らばっていた。

Sをガンコロ(覚せい剤の結晶)から粉々の粉末状にしていたので、刑事が「これはコカインか?」とよっ君に聞いていた。

よっ君がソファーベッドの部屋で覚せい剤反応の検査を確認させられているのを見て、パクられた実感が湧いてきた。



私達どうなっちゃうの?

私は取り乱して泣きじゃくった。



留置場で着る服を用意したりしていたよっ君が、泣きじゃくっている私を後ろから抱きしめてくれた。

1人の刑事が「おい!そんなことしてる場合じゃねぇだろ」と言ったけど、違う刑事が「そのくらいいいじゃないか」と言ってくれて、私が落ち着くまでよっ君は後ろから抱きしめてくれてた。



そうしてたら刑事が「もう1人の女はどこだ?」と聞いてきた。

「さっきまで居ただろう?」と言われ、加代子のことだとわかった。

私は「知りません」と何度も言ったけど「もうわかってるんだから正直に言いなさい」と言われ、誤魔化しきれないと思った私は「家に帰りました」と答えるしかなかった。



ガサ入れの最中、よっ君ん家の家電が鳴った。

物見君だった。

こんな事態になってることを知らない物見君は「食料確保して今から帰るから」と留守電に吹き込んだ。



そして、部屋の捜索が終わり覚せい剤と大麻を押収された私達は手錠をかけられ、よっ君ん家の近くに止めてあった車に乗せられた。

よっ君と一緒の車ではなく、よっ君はそのまま昭島警察署へ、私が向かったのは加代子の家だった。



私のナビで加代子の家まで行き、刑事が「この家か?どの部屋だ?」と聞かれたので「部屋はあそこです」と加代子の家の窓を指差した。

刑事達はそのまま加代子の家には乗り込まなかった。



その後、私を昭島警察署に連れて行った。



初めて信頼出来た人、よっ君とずっと一緒にいたかった。

前回、大麻取締法違反で捕まったときはよっ君を信用出来なかった私…誰も信じられないって決め付けてた私。

あの時、私の事を考えて信じてくれたよっ君に「俺がどうにかするから大丈夫だ。のりが怒るのも解るけど、もう少し、俺がやるからって言う言葉を信用してくれよ?」と言われてまた私達はパクられた。

よっ君の「大丈夫だから!な?」という言葉を信じて、不安を我慢するしか出来なかった結果だった。


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