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.*フェニルメチルアミノプロパン*.~覚せい剤やめますか?それとも人間やめますか?~薬物乱用から断薬までの道
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1995年11月25日 大麻及び覚せい剤取締法違反で逮捕

26日 昭島警察署で取り調べ

27日28日 八王子地検送検
(拘留の決定と接見禁止をつけられた)

29日 昭島警察署で取り調べ

12月1日 昭島警察署で取り調べ

2日 昭島警察署で取り調べ
(立川女子留置場入浴、今は週に2回の入浴だが当時は週に1回だった)

3日 昭島警察署で取り調べ

4日 お母さんが面会に来た

6日 八王子地検送検
(拘留延長の決定。未成年の拘留延長は珍しいと留置場係の警察官に言われた)

9日 昭島警察署で取り調べ
(立川女子留置場入浴)

10日 昭島警察署で取り調べ

11日 昭島警察署で取り調べ

13日 昭島警察署で取り調べ

15日 八王子家庭裁判所で鑑別所送致の決定

わかる人にはわかるだろうけど、大麻及び覚せい剤取締法違反でこんなに取り調べがあるのは珍しいことで、結構大きな事件として扱われた。



指紋、掌紋をとり写真撮影をしたあと本格的に取り調べが始まった。

「覚せい剤なんて誰に教えてもらったんだ?」と私の取り調べの担当だった少年課の係長に聞かれた。

私は「よっ君が六本木で大麻で逮捕されて留置場に入った時に大輔君と知り合って、大輔君にS(覚せい剤)を教えてもらって、Sをやり始めたんです」と大輔君の名前を出した。

よっ君は大輔君の名前を出さないだろうと思ってわかっていたが、私はあえて大輔君の名前を出した。



悔しかったのだ。

私とよっ君の生活を壊したS、そのSをよっ君に教えた大輔君。

確かにSを強要されてやってたわけじゃない。

Sをやってた私がいけないのはわかってた。

それでも、Sで逮捕されてよっ君と離れ離れになってしまうSをやるきっかけを作った大輔君が許せなかった。



私が大輔君の名前を出すと周りの刑事達が慌ただしくなった。

そして、麻布警察署から大輔君の調書を取り寄せた刑事が私のところにやってきて、大輔君が麻布警察署で巻いた調書を持ってきた。

調書に貼ってある大輔君の写真を見せ「こいつで間違いないか?」と刑事が聞いてきたので「はい。間違いありません」と私は答えた。



そして大輔君も物見君も加代子も芋づるでパクられた。



加代子の存在はガサが入った時に「もう一人の女はどこだ?」と刑事に言われ、私は「居ません。知りません」と言ったけど「居たのはもうわかってるんだぞ」と言われて「帰りました」と言うしかなく、加代子の家の場所を刑事に教えたので、私とよっ君が逮捕された翌日に加代子の家にもガサが入った。

加代子はSを持って帰ったりはしてなかったので覚せい剤の所持ではなく使用でパクられた。

私が立川女子留置場に入っていたので、加代子は八王子女子留置場に入れられたと教えてもらった。



物見君はよっ君ん家にガサが入った日、千葉県の浦安の実家に帰っていた。

私とよっ君が昭島警察署に連行された後、浦安の実家から昭島のよっ君ん家に戻ってきた物見君は私とよっ君がパクられ、もぬけの殻になったよっ君ん家には居られず浦安の実家に帰ったらしい。

私とよっ君がパクられたにもかかわらず、物見君はSの付着したフライパン(計量スプーンの形をしたアルミホイル)を捨てずに持っていてガサ入れでパクられたということだった。

物見君は高尾警察署に留置された。



私達が逮捕された時、昭島警察署は改築中で仮設のプレハブが昭島警察署として使われていたので、昭島警察署には留置場が無くよっ君は日野警察署に留置されていた。



取り調べは名前、生年月日、本籍地、現住所などから始まり、少年課の係長に「いつ頃、覚せい剤をやり始めたんだ?」を聞かれた。

私は「今年の7月あたりから」と答えた。

係長「覚せい剤のことを何て呼んでいたんだ?」

私「エスって呼んでました」

係長「7月からやり始めて、5ヶ月経つけど何回くらいやったんだ?」

私は何回と聞かれて悩んでしまった。

一呼吸吸引したのが一回?フライパン一個が一回?どっちにしても2日に一回3㌘のSが無くなる勢いで吸引していたので回数なんてわからない。

私「たくさんやりすぎて回数なんてわかりません」

係長「おおよその回数でいいから」

私「本当に何回やったかわからないくらいやってたので回数なんてわかりません」

係長「じゃあ500回くらいでいいな?」

私「それでかまいません」

係長「わかった。次は、まずどうやって吸引してたのか説明しなさい」

私「えっと…覚せい剤の結晶を粉々に潰して…」

係長「どうやって粉々に潰したんだ?」

私「パケに入っている結晶をライターの底で潰しました」

係長「で?その粉をアルミホイルで炙ったのか」

私「はい。」

係長「アルミホイルは普通に切ったまま使ったのか?」

私「いいえ。フライパンを作って、アルミホイルのストローで吸いました」

係長「フライパン?なんだそりゃ?」

私「スプレー缶のキャップでアルミホイルをかたどったやつです」

係長「なんだかよくわからないな…これにそのフライパンを書きなさい」とワープロ用紙を渡された。



私が丁寧にフライパンの絵を描いていると、別の刑事が「ちょっといいか?」とビジネスバッグくらいの木の箱を持ってきた。

刑事「買ってた覚せい剤はどんなやつだった?」と木の箱を開いて私に見せてきた。

木の箱の中身は覚せい剤のサンプルで、デッカイパッチンパケにぎっしりガンコロ(覚せい剤の結晶)が詰まった物もあれば、小さいパケに粉の覚せい剤が少し入っている物もあった。

私「このデッカイガンコロくらいが1㌘分手作りパケに入っていました。」

刑事「本当にこんなデカいガンコロ買ってたのか?」

私「パケに入っているガンコロは一個か二個で大きさはこのくらいでした」と答えると、刑事は木の箱を持って取り調べ室から出て行った。



私が再びフライパンの絵を描いていると係長が「なんでこんな年末に事件を起こすんだ!?はっきり言って迷惑だぞ!」と言った。

私はその言葉にカチンときて「じゃあなんで年末なんかにガサ入れたんですか?つか、犯罪者がいるから警察ってものが出来て、私達みたいな犯罪者がもし0になったら警察の必要性が無くなるんじゃないですか!?」と食いついた。

係長「開き直るんじゃない!!警察は公務員だから事件が無くても給料はもらえるんだ!」

私「この世の中が犯罪がない世界なら警察なんて部署は成り立っていないでしょ!?」

私はSの切れ目で睡魔に襲われながら、回らない頭を使って、係長につっかかった。

バンッ!

係長が取り調べ室のテーブルを叩いた。

私「暴力ですか、脅しですか」とさらに係長を煽った。

正直、二回目の逮捕で先なんて真っ暗だったから刑事が私を悪く思おうがどうでもよかった。

もうパクられてよっ君と離れ離れになることには変わりない。

取り調べ室が険悪な雰囲気になってる時、取り調べ室の外で、お昼ご飯の出前の注文を取り始めた。

刑事が「佐々木さん(係長)は何にする?」と私の取り調べ室にやってきた。

係長「五目そばをたのむわぁ。お前は自弁取るのか?中華ならあるぞ」と私に聞いてきた。



自弁???何それ?

自弁とは自分の所持金で、お昼ご飯の時だけ出前の食事を頼めることだった。

私「じゃあ、タンメンで…」



お昼ご飯を食べる場所は仮設プレハブにたった二個だけ作られた留置場で、別の取り調べ室で取り調べをしている共犯者達と会わないよう時間をずらしてお昼ご飯を食べた。

取り調べが無い時も留置場で自弁をとることができた。



お昼ご飯を食べ終え、取り調べ室に戻ると係長の怒りは収まっていた。

大ちゃんとはどのくらい遊んでいたか?

加代子は何回くらいSを吸ってたか?

よっ君ん家の部屋の見取り図も書かされた。

とにかく、私の巻いた調書は膨大な量になった。



ある時、取り調べで立川女子留置場から昭島警察署に連れられて取り調べ室に入り取り調べを始めた時、テーブルの側面に2cmくらいの黄色いビニールテープが貼ってあり、そこには‘のり子愛してる’とボールペンで書いてあった。

よっ君だ!私は舞い上がる気持ちを抑えてそのビニールテープをポケットに入れた。

取り調べが終わって留置場に戻されたとき身体検査でビニールテープが見つかり「これ?どうしたの?」と問われたけど私は答えられなかった。

黙ってうつむいている私に、留置場係の警察官は「捨ててもいいわね?」と言いビニールテープは捨てられた。



11月27日、28日の八王子地検の送検の時は、護送車がよっ君と一緒だった。

抱きつきたい衝動にかられながら我慢をし、護送車の後ろの席に座っているよっ君をずっと見てた。

よっ君は口パクで「あ・い・し・て・る」と言った。



28日地検の調べを終えて警察署に帰る護送車で一緒だったよっ君が日野警察署で先に降りる時、私は耐えられずに「よっ君!」と叫んだ。

よっ君は護送車を降りながら「大丈夫。な?」と言った。

逮捕されて、よっ君の姿を見たのはそれが最後になった。



拘留延長の決定が決まる時、またよっ君と同じ護送車かと思ったら違った。

その代わり、立川女子留置場に留置されているおばちゃんと一緒でおばちゃんは「あんたのりちゃん?あんたの男いい男だねぇ。あんたのことよろしくお願いしますって言ってたよ」と言われた。

おばちゃんは「なんか伝えてほしいことあったら伝えてあげるけど」と言ってくれてので「愛してるって伝えてください」とお願いした。


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