よっ君から電話が掛かってきて、よっ君から電話があった事、そしてよっ君に会いたい事を知君に言えずに3日が過ぎようとしていた。
私はなにより、私に付き合ってる人がいるのを知っていても連絡をくれたよっ君のことが嬉しかった。
知君に話さなきゃ…でも、話に持ち込むきっかけがない。
嬉しい気持ちが大きいほど、話ができない自分にモヤモヤしていた。
よっ君から電話が掛かってきて数日後、私はデパートのアクセサリー屋さんのバイトに出勤していた。
それまで店は私と19歳の子でどうにか開けている、そんな感じだったのに19歳の子が美容室の受付の仕事を始めることになり、辞めてしまったばかりだった。
店開けるのも私1人、デパートの営業中はたまに煙草を吸いに行くこと以外は店番でオープンラストで働いていた。
売り上げを計算しなくてはならない、プロマイドの写真の在庫確認と発注だけで精一杯。
そんな感じで新商品が本社から送られてきても陳列出来ず、たまに抜き打ちでくる本社の社員の人に「え!?まだ並べてなかったの!?困るなぁそういうんじゃ」とあれもできてない、これもダメと駄目だしばかりされていた。
「だって、1人じゃ…」と言うと社員の人は「今、あなたが店長なんだから、バイト雇えばいいじゃない」と求人情報紙にバイト募集を載せればいいと言われ、私は求人情報紙に載せる手順もわからぬまま手探りでバイト募集という広告を載せた。
そして、1人の女の子が面接にやってきた。
16歳の女の子だった。
とにかく人手が欲しかったのですぐに雇い2人でシフトを組んだ。
よっ君から電話が掛かってきたのはそんなさなかだった。
よっ君から電話が掛かってきたことを店番しながら「電話掛かってきて嬉しいってことは私はまだよっ君のことが好きなのかな?」と考えてみたけれど、「じゃあ、知君と別れてよっ君とやり直す?」それも踏ん切りがつかない。
自分の本心がわからない。
よっ君と一緒にいたい、知君のことも無かったことには出来ない…
どっちが好き?…両方好きだった。
もし、ネタ(覚せい剤)がなかったらすぐに答えられたのかもしれない。
どうにもならない気持ちで頭を抱えて悩んでいると「これ、ください」と声を掛けられた。
よっ君だった。
私「え?よっ君!なんで?なんできたの?」
よっ君「声聞いたら、やっぱ顔見たくなってな」
よっ君「会いに来ちゃまずかったか?彼氏には…」
私「彼氏にまだ話せてない!悩んでたの!つか、よっ君に会っちゃったら…よっ君とずっと一緒にいたい気持ちをおさえられなくなっちゃったじゃん!」
よっ君は満面の笑みで「俺はのりと一緒にいたいぞ…まぁ、悩んでるだけでも嬉しいって言えば嬉しいからそれでいっか」と言った。
よっ君とは、例えよりを戻さない結果になっても一生何かしらの関係で付き合っていきたい…
奥さんになれなくても友達、友達も無理なら知り合い…どんな形にしてもよっ君とはおじいちゃんおばあちゃんになった時、お茶を飲みながら若かりし頃の話を楽しく振り返れる関係でいたかった。
やっぱり…よっ君が好き。
気持ちをストレートに言ってくるとこが好き…
俺はのりのことが好きなんだぞって飾らなく言ってくれるところも、こうやって突然現れて私を悩ませるとこも好き…そう思った。
知君には素直に言えないことも、よっ君になら言える…それも魅力だった。
そう思っても、知君と別れる踏ん切りがつかない。
よっ君に知君と別れる踏ん切りがつかないことを素直に話した。
よっ君は無理に別れろとは言わない、ただのりがどんな答えを出しても俺ののりのことが好きな気持ちは変わらないからなと言ってくれた。
知君にずっと隠したままではいられない…
話さなきゃと思うけど…今はよっ君が顔を見に来てくれたことを喜ぶ気持ちに溺れよう…
私は現実逃避をしたのだった…
逃げ切ることのできない現実逃避…そんな感じだった。
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