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.*フェニルメチルアミノプロパン*.~覚せい剤やめますか?それとも人間やめますか?~薬物乱用から断薬までの道
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家賃も滞ったまま、光熱費は滞納したまま、食費もない状態。

私が貯めてた貯金箱のお金を銀行で紙幣に変えて貰ったりもした。

煙草とS(覚せい剤)を買うお金はあるのに食費は無い。



100円しかなかった時は、100円を握りしめて、よっ君と私はコンビニに行った。

79円のラーメンを買うことになったけど、私は塩ラーメンが食べたい。

よっ君は味噌ラーメンが食べたいと、お互い一歩も譲らず結局ジャンケンでどっちにするか決めた。

ジャンケンは私が勝った。



そんな貧乏生活だったけど、ある日よっ君がサラ金からお金を借りた。

借りた10万円は家賃でも光熱費でも食費でもなく、Sを10万円分買いに行った。

よっ君が「Sを小分けにして売ろうぜ」と言い、買ってきた10万円ものSを計り無しで目分量で手作りパケに分けた。

私が「誰に売るの?」と尋ねると「そこいらへんにタムロってる若い子に声掛けて売ればいいじゃん」とよっ君は言った。

私はうまくいかないと思った。



それから、夜な夜なよっ君は物見君を連れてSを持って徘徊し始めた。

私は職務質問が怖くて一緒には行かなかった。

よっ君は深夜徘徊を続けたけれど、Sが売れることもなく10万円のSは自分達で炙ってしまった。

そしてまた、サラ金からお金を借りてきたよっ君は今度はちゃんとお金に変えると言って、毎晩物見君を連れて出掛けていった。

私はよっ君ん家に1人ぽっちになった。

1人で黙々とSを炙っていると、もし今よっ君のお母さんが来たらどうしようという不安にかき立てられた。



よっ君に「行かないで!」と泣いたこともあった。

よっ君は「だったら、のりも来ればいいじゃん」と言い深夜徘徊をやめてはくれなかった。



ある時、朝になる前によっ君と物見君が帰ってきた。

「検問にあっちゃってさぁヤバいから検問ぶっちぎってきた」とよっ君は言った。

「だから行かないでって言ってるじゃん」とよっ君とケンカになった。

どんなに行かないでと言っても、どんなに泣いてもよっ君は深夜徘徊をやめてはくれなかった。

毎晩出掛けてもSは1つも売れなかった。

結局自分達で炙ってしまう始末だった。



1人ぽっちの夜は長く、孤独で不安だらけだった。


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