仮退院したのはいいけど、流行りの洋服がわからない。
とりあえず、流行り廃れのないスーツを二着買って貰った。
一着約3万円。
そして、美容院に行き延び放題だった髪をそろえてもらった。
昔の遊び仲間がPHSを持っていたので、私も買って貰った。
そして、中学生時代に使っていた化粧品で化粧をし、私は夜両親に「ちょっと出掛けてくる」とナンパ待ちをしていた街へくり出した。
ナンパ待ちをするつもりは無い。
ただ、よっ君と出会った時の事を想いながらふらふらと街を歩いた。
駅の上から昔はナンパ車いっぱいいたなと、ロータリーを眺め思い出に浸った。
深夜になる前に帰らなきゃと駅の階段を下りていたその時、後ろから声をかけられた。
「何やってんの?」男が4人で声をかけてきた。
シカトをすると、男達がまとわりついてきた。
親しく話かけられ続けて、感じ悪くはない人達だなと思い、仕方ないのでPHSの番号を教えた。
そして、男の携帯番号を教えてもらった。
男達の中で一番先輩の四谷君が私のことを気に入って、仲良くなった私達はみんなで車で夜の海に遊びに行ったりするようになった。
四谷君が私を気に入ったことで、他の男は気を使ってきたけれど、私が仲良くなったのは真一君だった。
そして、四谷君の先輩のしゅん君と出会った。
しゅん君と武君は走り屋で、奥多摩の山道でドリフト走行しに連れて行ってくれたりしていた。
四谷君にも、真一君にも、しゅん君にも、武君にも私が大麻と覚せい剤でパクられ、少年院に行っていたことを話してあった。
それでも、みんな優しくしてくれた。
ある夜、深夜の2時か3時頃PHSが鳴った、相手は清佳だった。
「彼氏に浮気がバレて、ケンカになって、お前が男作るんなら俺にも女紹介しろ!って言われたから、のり子の家の住所教えて、もしかしたら彼氏がのり子ん家行くかもしんない」と清佳は言った。
は?なにそれ?
清佳に「勘弁してよ!なんで家の住所教えんの!?」と清佳に言っている最中、家の前で車のクラクションを鳴らされた。
「来たみたい!清佳は彼氏とどうしたいの?」と清佳に聞くと「もう、別れてもいいと思ってる」と答えた。
クラクションをしつこく鳴らされた私は、近所の手前さすがに迷惑になると思ってパジャマのまま外に出た。
車には、清佳の彼氏が後部座席に座り、運転は清佳の彼氏の友達がしていた。
「近所に迷惑になるから!清佳とケンカしたのは聞きましたけど、アタシ関係ないですから!」と言い終わると同時に力ずくで車内、後部座席に引きずり込まれた。
私「何するんですかっ!?」清佳の彼氏「おとなしくしてたら乱暴なことはしないから」私は、拉致られたのだった。
私も馬鹿じゃない。
暴れて事態が悪化するのは避けたかったから車内で暴れたりはしなかった。
連れていかれた場所は清佳の彼氏(まっぴ)の家だった。
おとなしくしている私に、まっぴは機嫌良く話し掛けてきた。
私「どうしてこんなことするんですか!?清佳とのケンカなのにどうしてアタシが巻き込まれなきゃならないんですか!?」
まっぴ「清佳のことなんてどうでもいいよ。それよか、俺と付き合わない?名前はのり子ちゃんだよね。そうだ!のり子っちって呼ぼう」
確かにまっぴは、外見はトップクラスの格好良さだった。
でも、どっかで見たことがあるような気がした。
気のせいかなと考えていると、まっぴが「どっかで会ったことない?」と言い「そうだ!結構前に駅のロータリーで声かけたの覚えてない?」と聞いてきた。
記憶が蘇って「ぁ!2年前の冬にナンパしてきたことがあったの思い出した!」とナンパされた時の事に話が弾んだ。
なんだ、私をナンパしてきた男と清佳が、私が少年院に入ってる合間に、付き合ってたなんてすごい偶然と思った。
結局、パジャマを脱がされてSEXをした。
私も抵抗しなかったから、乱暴にされることはなかった。
朝、まっぴが仕事行くときに仕事のトラックに乗せてもらい家まで送ってもらった。
トラックを降りる時、まっぴに優しくキスをされて、私とまっぴは付き合うことになった。
よっ君を待つ気持ちとは裏腹に、形だけでも彼氏を作りたかった。
まっぴにも、私が少年院に入ってた事も、よっ君を大切に思ってる事、気持ち的によっ君を待つ気持ちは変わらない事を伝えた。
まっぴはそれでもいいと言って、彼氏彼女の関係になった。
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